
1995年1月17日神戸すべてを飲み込む悲惨な阪神淡路大震災。

例にもれず私たちも家や、すべてを失い西神中央での仮設住宅暮らしを余儀なくされました。
1年と少しの仮設暮らし。娘の中学校入学も重なり、神戸兵庫区に戻ることにきめました。まだ震災の傷跡が残る少し歪んだ借家でしたが、私たちは、帰ってこれたことの喜びと、此処からの再出発の希望で一杯でした。
荷物も運び終え食事に出かけることにしました。・・・・なんと空き巣が入ったのです。引越しのその日にです!私たちは、少なくとも大切な全財産の現金を失い、途方にくれました。
職場の友人に借金をお願いしなんとか急をしのぎましたが、その時友人に、空き巣には番犬が一番!と勧められ、犬を迎え入れることを決めました。
迎え入れるなら、小さい頃からの方がいいということで、生後間もない雑種の仔犬(女の子)を譲ってもらいました。大家さんに許可をもらい、私たちは、その小さな小さな生命にミントと名づけ片時も離れない生活がはじまりました。
まだミルクも1人で飲めず、哺乳瓶で飲ます毎日です。夜はママが恋しいのかクンクン泣きます。それでもミントはスクスク育ってくれました。

お気に入りのぬいぐるみを、咥えてきておやつをねだるミント。
寝るとき私の首に巻きつくようにねむるミント。
朝、扉をカリカリかいてトイレの合図をするミント。
帰宅すると私の胸めがけて抱っこをせがむミント。
もうミントがいない生活なんて考えられません。
ミントは私たちに喜びと、幸せと、愛を与えてくれました。
そんな幸せな日々が2年過ぎた頃、ミントに変化が表れはじめました。
毛が抜け始め、おしっこを大量にする、水を大量に飲む。
いろいろな病院を廻りましたが原因が判りませんでした。
暫くして膿混じりの尿が出始め、その時の血液検査で大変な貧血、腎不全とドクターから宣告。・・・・・・・・・・その時、初めてわかりました。
私の無知な食事方法です。いままでかわいいからといって人間と同じ食事を与えていたのでした。少量とはいえミントにとっては大変な負担がかかっていたのでしょう。
すぐに入院生活が始まりました。24時間点滴の毎日です。ミントは私たちの顔を見るたびに不安そうな顔をします。(かえりたいよー)って・・・
2週間ほどしてドクターからこのままでは腎臓移植しか無いと聞かされました。しかし、犬にはそれは不可能。死を待つだけ・・・と言う事です。ミントがいなくなる?ミントが死ぬ?いやだ!いやだ!絶対にいやだ!
毎日面会に行く度にミントが泣いています。私たちに帰りたい!と訴えているのです。
先生と話し合った結果、私たちはある決心をしました。点滴を外し家に連れて帰るのです。
それが、どういう意味か分かっていました。朝9:00病院から連れて帰りましたが、すぐに私たちは、その決心が揺るぎました。全身の痙攣が始まったのです。最初は2時間ごとに・・・間隔が短くなり30分、10分と縮まっていきました。私たちは全身、痙攣で震えるミントを抱きしめ、(ごめんね、ごめんね、お願いだから死なないで、)祈りました。
奇跡が起こるように、神様に祈り続けました。
どれ程の時間が経ったでしょう。私たちのその祈りも変わり始めました。
痙攣がひどくなるにつれ、(ミントごめんね、もういいよ、苦しまなくても、もういいよ、神様、ミントを早く天国に連れていってあげて。これ以上ミントを苦しませないで・・・)
夜、7:10 ミントは最期のとても大きな痙攣と同時に天国に旅立ちました。私の腕の中で、今までの辛さや苦しさがなかったかのように、安らかな顔で・・・2年半の短い一生でした。
ミント、君が私たちにくれたもの・・
どんな時でも君がいたら幸せになれた気持ち。
どんな時でも君がいたら楽しくなれた気持ち。
そして・・・・無償の愛。
それから私たちのペットロス生活が始まりました。
家の中は電気をつけているのに薄暗く、会話はミントのことばかり。
出るのは、涙と溜め息ばかり。無気力な生活が続きました。
外でかわいい仔犬を見ても、ペットショップでかわいい仔犬をみてもミントを思い出し、新たにワンちゃんを迎え入れることをためらってしまいます。
2度とあの悲しい思い、苦しい思いをしたくない、そんな気持ちで一杯でした。ある日ミントの大好きだったぬいぐるみを見つめながらこう思いました。私たちの思いは、実は勝手に私たちが悲劇のヒロイン気取りで思っているだけで、本当に苦しく、悲しかったのは、ミントなんだ、ミントの健康をちゃんと看てやれず、知識が無いばっかりにミントに苦しく、悲しい思いをさせたのは私たちなんだ。
その頃ダックス専門のブリーダーさんと知り合い、ミントのことや、いろいろお話していると、一度、犬舎に遊びにおいでと誘われました。
その犬舎にミントの小さい頃にそっくりなクリームのM・ダックスと出会いました。私たちはその仔に目が釘付けになり、涙が溢れました。天国のミントに問いかけました。(この仔を連れて帰ってもいい?ミント?絶対に幸せにするから、ミントの分まで)その仔が今、うちの看板犬 凛太郎です!
連れて帰って食事について家族会議です。ドッグフード中心の生活を徹底しようと決めブリーダーさんの所にも度々通うようになり、いろいろ教えていただきました。しかし、まだペットロスの恐怖から立ち直りきれていない私たちは、凛太郎がいなくなったらどうしよう・・と思い始めました。
そしてその解決法をいっぱい飼おう!という多頭飼いに見つけたのかもしれません。
自宅のリビングで、M・ダックス6匹との生活です。
大変だけどかわいい仔達に囲まれて本当に幸せな毎日です。
そして自然交配で5匹の赤ちゃんが生まれました。
その小さな生命の誕生に私達は死だけではない、誕生する生命の喜びも、あるんだと考えるようになりました。
その仔達はスクスク育ち、私達のブリーダー1年生としてのスタートを決心させてくれました。
現在、リトルスキップ犬舎としてショップを出させてもらっていますが、私たちは、犬屋さんではなく、愛犬家の一人です。
皆さんと同じ愛犬家なのです。ミントが私たちにくれた無償の愛を今度は私たちが捧げようと思っています。
長文、お読みいただき有難う御座います。

ミントと過ごした時間(リトルスキップ誕生まで)
天国のミントに捧げる





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